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花粉症とは何か？そのメカニズムと多岐にわたる症状を解説

花粉症は、特定の植物の花粉によって引き起こされるアレルギー性の疾患です。医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」や「季節性アレルギー性結膜炎」などと呼ばれ、その症状は鼻や目だけでなく、全身に及ぶことがあります。日本ではスギ花粉が最も有名ですが、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなど、様々な花粉が花粉症の原因となります。

花粉症のメカニズム：アレルギー反応の解明

花粉症は、体の免疫システムが、通常は無害であるはずの花粉を「異物」と認識し、過剰に反応することで発症します。この免疫反応は、以下の段階を経て進行します。

1. 感作（かんさ）: まず、花粉が鼻や目の粘膜に侵入すると、体内の免疫細胞が花粉を認識し、異物に対する抗体である「IgE抗体（アイジーイーこうたい）」を産生します。このIgE抗体は、主に鼻や目の粘膜にある「肥満細胞（ひまんさいぼう）」の表面に結合して待機します。この段階では、まだ症状は現れません。

2. アレルギー反応の誘発: 次に、再び花粉が体内に侵入し、肥満細胞の表面に結合したIgE抗体と結合すると、肥満細胞が活性化されます。

3. 化学伝達物質の放出: 活性化した肥満細胞は、体内で様々な化学伝達物質を放出します。その中でも主要なのが「ヒスタミン」です。ヒスタミンは、血管を拡張させたり、神経を刺激したり、分泌物を増やしたりする作用があります。

4. 症状の発現: ヒスタミンなどの化学伝達物質が、鼻や目の粘膜にある神経や血管、腺細胞を刺激することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった典型的な花粉症の症状が発現します。

花粉症の主な症状

花粉症の症状は、主に以下の3つが中心となりますが、これらが複合的に現れることがほとんどです。

• くしゃみ: 鼻粘膜に付着した花粉を体外に排出しようとする防御反応です。連続して何度も出ることが多く、非常に不快な症状です。

• 鼻水: 透明でサラサラとした水っぽい鼻水が、とめどなく流れるのが特徴です。これも花粉を洗い流そうとする体の防御反応です。

• 鼻づまり: 鼻粘膜の血管が拡張し、粘膜が腫れることで鼻腔が狭くなり、空気の通り道が塞がれる症状です。夜間や睡眠時に悪化しやすく、口呼吸を誘発し、喉の痛みや乾燥、睡眠の質の低下にも繋がります。

上記の3大症状に加え、目にも様々な症状が現れます。

• 目のかゆみ: 結膜（白目の表面とまぶたの裏側を覆う粘膜）に花粉が付着することで、強いかゆみが生じます。

• 目の充血: 炎症により結膜の血管が拡張し、目が赤くなります。

• 涙目: 目がかゆいと涙が出やすくなり、異物感も伴うことがあります。

さらに、花粉症はこれらの症状だけでなく、全身に様々な影響を及ぼすことがあります。

• 喉や気管の不快感: 花粉が喉や気管に付着することで、イガイガ感、痛み、咳などを引き起こすことがあります。

• 皮膚炎: 花粉が皮膚に付着することで、かゆみや赤み、湿疹などの花粉症皮膚炎が生じることがあります。

• 耳のかゆみ: 鼻と耳は Eustachian tube (耳管)で繋がっており、花粉症の炎症が耳にも波及し、耳の奥のかゆみを感じることがあります。

• 倦怠感や疲労感: 鼻づまりによる睡眠不足や、アレルギー反応による体力の消耗から、日中に強い倦怠感や集中力低下、思考力の低下を訴える人も少なくありません。

• 頭重感: 鼻腔の炎症が副鼻腔に波及し、副鼻腔炎（蓄膿症）を併発すると、鼻づまりが悪化し、顔面や頭部に重苦しい痛みを感じることがあります。

花粉症の種類と飛散時期

花粉症の原因となる花粉は、植物の種類によって飛散時期が異なります。日本では主に以下のような花粉が原因となります。

• スギ花粉: 2月～4月頃にピークを迎えます。日本で最も患者数が多い花粉症の原因です。

• ヒノキ花粉: 3月～5月頃に飛散します。スギ花粉の飛散と重なる時期もあり、両方に反応する人もいます。

• イネ科花粉（カモガヤ、オオアワガエリなど）: 5月～7月頃に飛散します。

• キク科花粉（ブタクサ、ヨモギなど）: 8月～10月頃に飛散します。

このように、年間を通じて様々な花粉が飛散しているため、人によっては季節を問わず花粉症の症状に悩まされることもあります。

花粉症の診断と治療

花粉症の診断は、症状の問診に加え、血液検査で特異的IgE抗体を測定したり、皮膚プリックテストでアレルギー反応を確認したりすることで行われます。

治療は、症状を抑える対症療法が中心となります。

• 薬物療法:

  • 抗ヒスタミン薬: ヒスタミンの作用を抑え、くしゃみや鼻水、目のかゆみを軽減します。内服薬、点鼻薬、点眼薬があります。

  • ステロイド点鼻薬: 鼻粘膜の炎症を抑え、特に鼻づまりに高い効果を発揮します。

  • 遊離抑制薬: 肥満細胞からの化学伝達物質の放出を抑える作用があります。

• アレルゲン免疫療法（減感作療法）: アレルゲン（花粉）を少量ずつ体内に取り入れることで、体をアレルゲンに慣れさせ、体質を改善する治療法です。皮下注射で行う「皮下免疫療法」と、舌の下に薬を置く「舌下免疫療法」があります。効果が出るまでに時間がかかりますが、根治が期待できる唯一の治療法とされています。

• セルフケアと環境整備: 花粉の飛散を避ける、マスクや眼鏡の着用、外出後のうがい・手洗い、部屋の換気、空気清浄機の使用なども花粉症対策として重要です。

花粉症は、生活の質を大きく低下させる疾患ですが、適切な診断と治療、そして日常生活での対策を行うことで、症状をコントロールし、快適に過ごすことが可能です。

「花粉症」改善のための選択肢は、大きく分けて3つあります。

自宅でのセルフケア

花粉症のセルフケアでは、抗原（花粉）との接触を最小限に抑えることが基本です。

帰宅時には衣服や髪に付着した花粉を速やかに落とし、洗顔やうがいで粘膜への付着を除去します。また、室内では空気清浄機や加湿器を活用し、鼻粘膜の乾燥を防ぐことが重要です。さらに、自律神経のバランスを整えるため、軽いストレッチや深呼吸を取り入れると、過敏な免疫反応の鎮静化にも役立ち、花粉症症状の軽減が期待できます。

症状が重い場合は、薬剤の使用も検討されますが、自己判断での服用は厳禁です。必ず専門家の指示に従ってください。

また、誤った知識や方法で行うセルフケアは、かえって状態を悪化させる危険性もあります。もし症状が改善しない場合は、悪化する前に速やかに医師や専門家に相談し、適切な治療を受けてください。

整形外科を受診する

整形外科では花粉症に対し、主に症状を緩和する薬物療法を行います。

くしゃみや鼻水、目のかゆみを抑える抗ヒスタミン薬の内服や、鼻づまりに効果的なステロイド点鼻薬、目のかゆみを抑える点眼薬などが処方されます。これらの薬剤は、ヒスタミンなどの化学伝達物質の作用を阻害することで、アレルギー反応を抑制します。

根本的な体質改善を目指す治療として、アレルゲン免疫療法（減感作療法）も行われます。これは、原因となる花粉のエキスを少量ずつ体内に取り入れ、体を慣れさせることでアレルギー反応を和らげる治療法です。

重度の鼻づまりに対しては、鼻粘膜を焼灼するレーザー治療や、鼻甲介の一部を切除する下鼻甲介切除術といった手術療法が選択されることもあります。

ただし、花粉症に対する治療においては、一般的には耳鼻咽喉科医や皮膚科医が主導することが一般的です。整形外科の治療は補助的な役割を果たす場合がありますが、総合的なアプローチが求められます。まず、アレルギー反応などの問題を診断し、その後、適切な専門家の指導のもとで治療を受けることが重要です。

整骨院での治療を選択する

整骨院では花粉症そのものを直接治療するわけではなく、花粉症の症状を悪化させる要因となる自律神経の乱れや、身体の歪みに着目してアプローチします。

まず、問診と触診を通じて、患者さんの体質、ストレス状態、そして首・肩・背中・骨盤の歪みなどを評価します。これは、身体の歪みが自律神経のバランスに影響を与え、免疫機能にも関与すると考えるからです。

具体的な施術として、全身の血行促進や筋肉の緊張緩和を図る手技療法（徒手療法）を行います。特に、鼻や目に関わる神経が集中する首周りの筋肉（胸鎖乳突筋、僧帽筋など）や、頭蓋骨の調整によって、自律神経のバランスを整え、副交感神経を優位にすることで、アレルギー反応による過敏性を和らげることを目指します。また、骨盤矯正で姿勢を改善することも、全身のバランスを整える上で重要です。

さらに、鍼灸治療は花粉症対策として非常に有効です。東洋医学の観点から、全身の「気」と「血」の巡りを整え、免疫力の向上と自律神経の調整を図ります。

花粉症に効果的とされる経穴（ツボ）、例えば鼻の通りを良くする迎香（げいこう）や、アレルギー反応を抑える合谷（ごうこく）、体質改善を促す足三里（あしさんり）などに鍼を施すことで、局所の炎症を抑え、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状の軽減を目指します。お灸を併用すれば、温熱効果で身体を深部から温め、リラックス効果を高めます。

これらの複合的な施術と、日常生活でのアドバイスを通じて、つらい花粉症の症状の緩和と、体質の改善をサポートします。

整骨院での治療における留意点としては、治療が手技中心となるため、施術者の技術や知識に差がある点です。そのため、正しい理論とエビデンスに基づいた効果的な施術が提供されているかを見極めることが大切です。どのような治療理念を持ち、どのようなアプローチを行う整骨院を選ぶかが大切になります。

 

 

 

スポルト鍼灸整骨院 多磨店の行う根本改善治療は、神経と血液の流れを正常化し、自然治癒力を高めることを目的としています。

神経と血液の流れを妨げている根本原因を追究し、骨盤矯正、筋膜リリース、神経調整などを組み合わせて根本原因にアプローチする治療法を「根本改善治療」といいます。

身体を構成する「骨格」「筋肉」「神経」3つの要素に同時にアプローチできるのが特徴です。

 

「骨盤・骨格矯正」で痛みの発生源を根本改善します。

骨盤は身体の土台、背骨は大黒柱です。

骨盤の歪みを矯正し、土台となる骨盤が正しいポジションに安定することにより、再び背骨が正常なS字カーブを描いて、痛みの発生源を根本から改善していきます。

痛みやシビレなどの不調を改善するにも、まずは骨組みから整えることが大切です。

「筋膜リリース」で筋肉の柔軟性を取り戻し、血流改善します。

筋肉を包み込む「筋膜」をリリースすることで、凝り固まった筋肉の柔軟性を取り戻し、全身の血流を改善し、リンパの流れを促進していきます。

筋肉が凝り固まったままの状態では、骨盤・骨格矯正の効果も半減してしまいます。

矯正された骨盤を維持させるためにも、患部の筋肉を柔らかくすることは必要不可欠です。

筋肉が柔軟性を取り戻すことで、骨盤が正しいポジションに安定し、内臓の働きやホルモンバランスも改善されます。

「神経調整」で神経の伝達異常を改善します。

痛みやシビレなどが長く続くと、神経も筋肉と同様に疲労し、感覚異常や知覚鈍麻、または神経過敏状態を引き起こしています。

骨盤や筋肉が正しい状態に戻ることで、ある程度の改善は見込めますが、慢性的な痛みやシビレの症状には、鍼灸治療を取入れた神経調整を行います。

神経調整で、神経の疲労を取り除き、慢性的な痛みやシビレをリセットします。

 

 

スポルト鍼灸整骨院 多磨店が考える健康とは、単に痛みがない状態を指すのではありません

それは「痛みなく快適な日常生活を送り、自分のやりたいことを自由にできること」、そして「身体的・精神的に調和がとれ、安定していること」です。

私たちは、目の前の痛みを取り除くだけでなく、その根本原因にアプローチし、「元に戻らない体づくり」を目指すという治療理念のもとに施術を行っています。

多くの場合、痛みがなくなると治療を中断され、再び同じような痛みに悩まされて来院される方が少なくありません。痛みが消えても、根本的な原因が解決され、「元に戻らない体づくり」ができていなければ、残念ながら同じ症状を繰り返してしまうのです。

そこで、スポルト鍼灸整骨院 多磨店では、その治療プロセスとして「改善予防型プログラム治療」を提供しています。

検査とカウンセリングを通じて、患者様お一人お一人の症状に合わせた個別の施術プログラムを作成し、そして骨盤矯正を軸に、筋膜リリースや神経調整（鍼灸治療）を組み合わせることで、症状を根本から改善へと導きます。身体を構成する骨格・筋肉・神経の3要素すべてにアプローチできるのが、私たちの治療の大きな特徴です。

皆様のお悩みが根本的に解決されるよう、私たちは本気で施術に取り組ませていただきます。長年同じ症状で悩まれている方、もう同じ痛みを繰り返したくないと願う方は、ぜひ一度、ご相談ください。

 

 

《※本記事はスポルト鍼灸整骨院総院長 / 川田英雄(厚生労働大臣認可 : 柔道整復師)が監修しています。》