肘部管症候群〈府中 多磨の整骨院「スポルト鍼灸整骨院」〉

2024年07月24日

肘部管症候群の概要と原因 | 府中 多磨の整骨院「スポルト鍼灸整骨院」

こんにちは。府中市 多磨の整骨院「スポルト鍼灸整骨院」です。 今日は「肘部管症候群」についてお話しします。

 

 

肘部管症候群(Cubital Tunnel Syndrome)は、肘の内側に位置する肘部管という狭い通路で、尺骨神経が圧迫されることによって引き起こされる神経障害です。

肘部管は、肘関節を構成する骨や靭帯、筋肉の間を尺骨神経が通過する部分で、この神経は手の小指側や薬指に感覚を伝える役割を果たしています。肘部管症候群は、神経の圧迫により、小指や薬指に痺れや痛みが生じることが特徴です。

肘部管症候群の原因

肘部管症候群の原因は多岐にわたりますが、主な原因として以下の点が挙げられます。

過度の使用

肘の過度な使用や繰り返しの動作は、肘部管症候群の大きな要因となります。例えば、長時間のコンピューター作業や運転、テニスやゴルフなどのスポーツ活動は、肘関節に負担をかけることがあります。

これらの動作が継続的に行われると、尺骨神経が圧迫されやすくなり、肘部管症候群の発症リスクが高まります。

加齢と関節の変形

加齢に伴う肘関節の変形も、肘部管症候群の原因の一つです。関節が変形すると、肘部管内の空間が狭くなり、尺骨神経が圧迫されることがあります。

特に、関節炎や変形性関節症などの疾患が進行すると、このリスクが増加します。

外傷と骨折

肘への外傷や骨折も、肘部管症候群を引き起こす可能性があります。外傷によって肘部管が狭くなることや、骨折後の骨の再形成が神経を圧迫することがあります。

これらの場合、早期の診断と適切な治療が重要です。

解剖学的要因

個々の解剖学的な特徴も、肘部管症候群の発症に影響を与えることがあります。

例えば、肘部管の形状が生まれつき狭い人や、尺骨神経が通常よりも浅く位置している人は、症状が出やすい傾向にあります。

症状の進行と影響

肘部管症候群の初期症状は、小指や薬指に感じる痺れや違和感です。

これらの症状は、通常は夜間や長時間の肘の曲げ伸ばし後に顕著になります。症状が進行すると、手の握力が低下し、細かな動作が難しくなることがあります。

さらに放置すると、筋力の低下や手の筋肉が萎縮することがあり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

肘部管症候群の早期発見と治療は、症状の悪化を防ぐために非常に重要です。

 

 

肘部管症候群の診断と治療法 | 府中 多磨の整骨院「スポルト鍼灸整骨院」

肘部管症候群(Cubital Tunnel Syndrome)の早期発見と適切な治療は、症状の悪化を防ぎ、日常生活の質を維持するために重要です。ここでは、肘部管症候群の診断方法と治療法について詳しく解説します。

診断方法

問診と身体診察

肘部管症候群の診断は、まず問診と身体診察から始まります。医師は患者の症状や生活習慣、肘の使用頻度について詳しく聞き取りを行います。

次に、肘や手の感覚、筋力、反射などを確認するために身体診察を行います。肘を叩いて尺骨神経の反応を見る「ティネル徴候」や、肘を曲げた状態で症状が悪化するかどうかを確認する「肘屈曲テスト」などが一般的です。

画像診断

身体診察に加えて、X線やMRIなどの画像診断も行われることがあります。X線検査では、肘関節の骨の状態や変形、骨折の有無を確認します。

MRI検査は、神経や軟部組織の詳細な画像を提供し、尺骨神経の圧迫状況や周囲の組織の状態を評価するのに有用です。

神経伝導速度検査

神経伝導速度検査(Nerve Conduction Study)は、神経の伝達速度を測定する検査です。この検査では、電極を用いて神経に微弱な電気刺激を与え、その伝達速度を計測します。

尺骨神経の伝達速度が遅くなっている場合、肘部管症候群の可能性が高いと判断されます。

治療法

保存療法

肘部管症候群の治療は、まず保存療法から始めます。保存療法には以下の方法が含まれます。

1. 休息と生活習慣の改善

肘の過度な使用を避け、日常生活の中で肘にかかる負担を軽減することが重要です。例えば、コンピューター作業時に適切な姿勢を保ち、頻繁に休憩を取ることが推奨されます。

2. サポーターの使用

夜間に肘を伸ばした状態で固定するサポーターを使用することで、尺骨神経の圧迫を軽減し、症状の改善を図ります。

3. ストレッチとエクササイズ

肘部管症候群の症状緩和には、軽いストレッチやエクササイズが効果的です。神経の滑走を促すためのストレッチや、前腕の筋肉を強化するエクササイズを行うことで、症状の進行を防ぎます。

薬物療法

保存療法が効果を示さない場合、薬物療法が行われることがあります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、神経の炎症を抑えるためのステロイド注射が使用されることがあります。

手術療法

保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、手術療法が検討されます。

手術では、尺骨神経の圧迫を解除するために肘部管を広げる手術や、神経を別の場所に移動させる「尺骨神経移行術」が行われます。手術後はリハビリテーションが重要で、専門家の指導の下で適切な運動療法を行うことが推奨されます。

まとめ

肘部管症候群は、早期発見と適切な治療が重要な神経障害です。

問診や身体診察、画像診断、神経伝導速度検査を通じて正確な診断が行われ、症状に応じた適切な治療法が選択されます。保存療法や薬物療法で症状が改善しない場合は、手術療法が考慮されることもあります。

日常生活での肘の使い方に注意し、早めに専門家に相談することが、肘部管症候群の予防と治療において重要です。